タイプライターの追憶

丸善のタイプライター

このごろ、学生時代に使っていた丸善のタイプライターのことを思い出すことがよくある。

なんでそんなものを思い出したのかわからないが、安い割になかなか使いやすいタイプライターだった。

あれは、確か高校1年の正月開けにお年玉を集めて買ったと記憶している。

27000円・・だったと思う。

田舎の高校生がなんでそんなものを買ったのか?

当時、僕は外国に憧れていた。

いつか外国に行ってみたいと真剣に思っていた。

田舎の生活がつまらなかったのかも知れないが、とにかく日本以外の国に行ってみたかった。

それが何でタイプライターにつながるのか今となっては、皆目見当もつかないけど、ひとつには、叔母が国際結婚をしてカナダにいたからただ漠然と羨ましかったのかも知れない。

なんとなく異国の匂いのようなものを叔母から感じ取っていたのかも知れない。

 

なぜタイプライターなんて物を買ったのか

高校生の頃、ラジオで海外短波放送を聴く趣味(BCL)が流行っていてそれで受信報告書を海外の放送局に送る為にタイプライターでポツポツと打っていたことを覚えている。

タイプライターを買ったらついてきた教本を見ながら独習でブラインドタッチを覚えた。

これが後に英語の専門学校に入って役に立つのだから面白い。

しかし最終的に検定でDクラスしか受からなかったからたいしたことはないけど・・。

ミスタイプが多かったのだ。

これは、自分の大雑把な性格に由来するのであろう。

 

人と違った事をすることが好きだった

私は人と違ったことをするのが好きだったように思う。

だから丸善なんて買ったのだろう。

当時、タイプライターといえばオリベッティが主流だったはずである。

私の偏見かも知れないが、専門学校に入って皆が買ったのはオリベッティのレッテラというモデルばかりだった。

 

まだ今でも売っているんだろうか?丸善タイプライター。

と、言うよりタイプライター自体、売ってるのを見かけることが全くなくなってしまった。

やはりパソコンの普及が一番大きいのだろう。

タイプライターはパソコンのキーボードに取って代わられてしまった。

いいものなんだけどな、あのキーを打つ感触。

カタカタとタッチする度に黒と赤のリボンが持ち上がってタイプ用紙に印字していく。

そして端までいくとチーンとなるあの音も懐かしい。

また欲しくなってしまった。タイプライター。

オークションで探してみようか?

 

丸善のタイプライターは僕の心の中で今もひっそりと息づいている。

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